中村は、勝ち越し弾を奪ったことでお役御免となり、77分に交代。川崎はこのまま試合を締め、FC東京にリベンジを果たすとともに、連勝記録を13に伸ばした。
この劇的な勝利の裏に、鬼木達監督の“いつもと違う采配”があった。この試合で最初に交代カードを切ったのは77分で、中村憲剛に代えて脇坂泰斗を入れたものだった。実はこの「77分」というのは、鬼木監督が今季のリーグ戦で最初のカードを切るタイミングとして最も遅い数字だ。中村の得点した「74分」は、いつもであればすでに交代カードを切っていたが、それを遅らせたのは中村に“得点の匂い”を感じていたからだろうか。
また、2回目の交代カードは、後半アディショナルタイムにとなる90+4分に切った3枚替えで、2枚目の交代カードのタイミングとしても今季のリーグ戦で最も遅い。交代カード5枚をすべて使いきらなかった試合は以前にもあるが、タイミングにおいてはいつもと違っていた。
リベンジを果たした川崎は、これでリーグ12連勝。シーズンまたぎや延長戦勝利も入れたJリーグの最多連勝記録は1998年に鹿島が記録した「16」。同一シーズンで90分勝利での16連勝という野望も、現実味を帯びてきた。