しかし、川崎はリベンジに向けて自身のスタイルを徹底した。巧みなパスワークから次々とシュートチャンスを生み出し、前半だけで14本。得点こそ23分のFW家長昭博のPKゴールだけだったが、大量得点してもおかしくないほど一方的に攻め立てた。
それでも、どう転ぶかが分からないのがサッカー。57分、FC東京のFWディエゴ・オリヴェイラが独力で同点弾を奪ってみせたのだ。
“得点機を逸しているうちに流れを失う”という、サッカーでよくある不吉な展開が川崎サポーターの頭をよぎる中、それを見事に打ち破ったのがMF中村憲剛だった。
74分、FW三笘薫がドリブルで左から仕掛けると、グラウンダーのボールをマイナスに送る。そこに走り込んだのが中村で、何度崩しても入らなかったチームのうっ憤を晴らすように、豪快にゴールネットに突き刺したのだ。