■先行きが楽しみな「WEリーグ」
しかし、日本のサッカー界は当時とは比べ物にならないほど発展している。
2011年当時「一握りの代表選手」が突出していた女子サッカー界は、彼女たちの多くがまだ現役を続けている間に、若い選手が育ってきているのだ。
男子の世界と比較するのであれば、今はJSLの末期頃の状況と似ているのではないだろうか?
つまり、若い優秀な選手は次々と育ってきているが、戦術レベルが未熟な状態だ。
男子のサッカーは、その後、Jリーグが発足し、プロとして競技に専念できる環境が整えられ、さらに外国人の優秀な監督が戦術面を指導したことによって、急激に競技レベルが上がっていった。現在は、日本人指導者のレベルも上がり、Jリーグはいわゆる「5大リーグ」にはもちろん及ばないにしても、ヨーロッパの中堅国のリーグ並みの試合が繰り広げられ、戦術的な駆け引きを楽しむことができるまでに成長した。
女子でも、「WEリーグ」発足によって、能力の高い監督が招聘され、またヨーロッパやアメリカのトップクラスの外国籍選手と契約できれば、一気に競技レベルが上がっていく可能性ははらんでいる。