「3強+1」の激戦「最後のなでしこリーグ」に見る日本女子のポテンシャル(2)20歳前後の若い選手が主力にの画像
競り合う松田紫野(ベレーザ)と田中美南(レオネッサ) 写真:森田直樹/アフロスポーツ

シーズン半ばにしてデッドヒートを繰り広げる、なでしこリーグが面白い。現在おこなわれているシーズンをもって最後となり、来年からはプロリーグの「WEリーグ」が始まる。首位を走る浦和レッズレディースと追いかける日テレ・東京ヴェルディベレーザ、INAC神戸レオネッサの3強が輪郭のはっきりしたサッカーでし烈な争いを繰り広げている。これを追うセレッソ大阪堺レディースをはじめ、虎視眈々と上位をうかがうチームも充実の戦いを見せる。密の少ない環境で開催される「最後のなでしこリーグ」、これを見逃す手はない。

■なでしこリーグは今年が最後

 さて、ご承知のように、女子サッカー界では来年「WEリーグ」と名付けられたプロリーグが発足することが決まっている。日本のトップリーグとしてのなでしこリーグは現在行われている大会が最後となる。

 果たして、プロ化は成功するのだろうか?

 ビジネス的な意味では不安だらけだ。いったい、スポンサー探しなどがどこまで進んでいるのか、まったく発表はない。

 このご時世である。そう簡単にスポンサーが見つかるとは思えないし、第一、来年の秋に新リーグを立ち上げるにしても、そのころ、果たして観客を入れて試合が開催できるのかも分からない。すでに、確立されたプロ野球やJリーグであれば、無観客や観客数を制限した形で開催しても、それなりに注目され、放映権料という形で収入もあろうが、新リーグが無観客で開催されるのでは成功は覚束ない。

 新リーグ発足に向けて、「女性の社会参画」など理念的なことは華々しく喧伝されており、実際に代表理事(チェア)に元女子日本代表の経験を持ち、ビジネス界で活躍していた岡島喜久子が登用されたりしているが、肝心のスポンサー探しやチーム強化などがどうなっているのか情報がないのが現状だ。岡島氏にしても、アメリカ在住ということで実務にはあまり携われない。

 しかし、今回はそうした経営面、財政面のことは措いて、競技面からプロリーグのことを考えてみたい。

 果たして、新リーグはプロとして成立するだけの内容の、つまり有料で十分な数の観客を動員できるほどの試合が展開できるのだろうか?

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