■INAC神戸の新監督はゲルト・エンゲルス
こうして「C大阪堺強し」と思われたのだが、次の第5節でC大阪堺はベレーザ相手になんと1対10という大敗を喫してしまったのだ。
ベレーザは開幕直後から苦しい戦いが続いていた。開幕戦ではノジマを相手に大苦戦。引き分けを覚悟した後半アディショナルタイムにDFの土光真代がロングシュートを決めて、ようやく勝点3をゲットした。
昨年まで4年連続で得点女王として優勝の立役者となった田中美南が、今シーズンは神戸に移籍。さらに右サイドでゲームを作っていた椛木結花もアメリカのレインから、さらにスウェーデンのリンシェーピングFCに移籍しており、開幕直後のベレーザは明らかに得点力不足に陥っていた。しかも、DFの清水梨紗と土光真代が負傷で長期離脱。苦境に立たされたかと思われたのだが、C大阪堺相手に10得点で圧勝すると、その後は大量得点を奪って勝利を重ねてきた。
神戸も注目のチームだ。なにしろ、昨年までベレーザの点取り屋として4年連続リーグ得点女王だった田中美南が移籍し、今や日本代表の攻撃のリーダーとしての地位を確立した岩渕とのコンビが実現したのだから……。
そして、7年ぶりの優勝を目指す神戸は新監督としてゲルト・エンゲルスを招聘した。
エンゲルスは横浜フリューゲルスがマリノスとの合併によって消滅を迎える最後のシーズン(1998年度)に天皇杯を獲得した時の監督で、その後も浦和レッズなどで監督を務めた指導者だ。J1リーグで監督経験のある指導者が女子の監督となるのはきわめて珍しいことだけに大きな注目を集めた。