■首位を走る浦和レッズレディース

 後半に入ってもベレーザの攻撃に対して落ち着いて対応していた神戸だったが、連続してアクシデントに見舞われてしまう。

 トップの岩渕と左サイドバックの鮫島彩が相次いで相手と接触して交代を余儀なくされてしまったのだ。岩渕という前線で確実にボールを収めることのできるターゲットプレーヤーを失ったため、せっかく奪ったボールを前線につなげることができず、ワントップの田中も孤立。

 そして、鮫島に代わってMFの杉田妃和が左サイドバックに下がったため、ベレーザの激しいプレッシャーを前に中盤での守備が機能せず、神戸はセカンドボールを拾うことができずに、二次、三次攻撃を受ける時間が続いた。

 こうして、終盤はベレーザの猛攻にさらされ続けることとなった神戸だったが、それでも最後まで集中を切らすことなく、シュートコースに体を入れながら粘り強く戦った神戸が1点差を守り切って、なんとか優勝戦線に踏みとどまった。

 同時刻に戦っていた試合で浦和レッズレディースは伊賀FCくノ一三重相手に苦戦していたが、終了間際の90分に日本代表の菅澤優衣香が決勝ゴールを決めて2対1で勝利。

 この結果、首位の浦和と2位のベレーザとの勝点差が5に広がり、浦和が「3強+1」の争いから一歩抜け出したように思えるが、来節(9月21日)には神戸が浦和に挑戦する。もし、ここで神戸が勝つようなことになると、なでしこリーグはさらに混戦に拍車をかけることとなろう。

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