■「シュートがことごとく枠を外れたら…」
後半は勢いを持ってゲームに入った。52分には左SB亀川諒史が、ゴール前まで入り込んで決定的なシュートを放つ。
61分には最初の交代カードを切る。大竹洋平を下げて畑潤基を投入し、イバルボとの2トップに変更する。
その直後だった。泉澤仁に2点目を決められてしまうのだ。しかも、相手のコンビネーションに揺さぶられての失点である。チームトップタイの4得点をあげている畑の登場で攻勢へ転じていくはずが、甲府を勢いに乗せてしまう展開となってしまった。
ここから先はルアン、植中朝日、米田隼也と選手を入れ替え、後半だけで10本のシュートを浴びせた。しかし決定機と呼べるものは、76分の角田誠のヘディングシュートと、89分にカイオ・セザールが至近距離から狙った一撃ぐらいである。「(ペナルティ)ボックス内のシュートがことごとく枠を外した。そうなれば、攻勢に出ていても勝機は逃してしまう」と指揮官が振り返ったように、6試合ぶりの無得点で今シーズン3敗目を喫することとなった。
2位の北九州が愛媛FCに1対0で競り勝ったため、長崎は4節から守ってきた首位を譲った。北九州を勝点1差で追うこととなった。3位の徳島も栃木SCを1対0で退けており、勝点1差に迫られている。
昇格争いは混戦模様となっているが、手倉森監督は冷静だ。
「一度肩の荷を下ろすときがなければいけないのかなというふうに考えて、今度は追う立場になってやるだけだなと思っています」
気になるのは秋野央樹の不在だろうか。
16節まで全試合に出場してきたレフティーのボランチが、ここ2試合はスタメンだけでなくメンバーからも外れている。疲労の蓄積を防ぐための休養なのか、それともケガ人のリストに加わってしまったのか。キャプテンも務める25歳が長期離脱するようなことがあると、長崎は不安材料を抱えてしまうことになる。