■磐田の東京五輪世代がゴラッソで応酬

 1対0でリードした後半、大宮は守勢に立たされる。ハーフタイムに前線の選手をふたり入れ替え、選手の立ち位置も変更してきた相手に、いくつかのチャンスを与えてしまう。

 前半と同じように相手のパスを引っかけてのカウンターは繰り出しており、試合の流れまでは持っていかれていなかったが、60分にスコアをタイに戻される。これまた8月の月間ベストゴールの候補入りは間違いないスーパーミドルを、磐田の伊藤洋輝に叩き込まれた。ホームNACK5スタジアム大宮では、今シーズン4試合目で初の失点を喫した。

 大宮の高木琢也監督はすぐに動く。失点直後に交代選手をひとり投入し、70分と80分に2枚替えをする。

 5枚の交代カードをすべて切った直後だった。途中出場の戸島章のスルーパスが、相手DFのオウンゴールを誘う。2対1とリードする。複数得点は3節のザスパクサツ群馬戦以来だ。

 90分には磐田が退場者を出す。大宮は時計の針をうまく進めながら、終了のホイッスルを待つ。

 ところが、2対1では終わらないのだ。90+5分、大森晃太郎のクロスをルキアンにヘッドで決められてしまう。磐田の攻撃のキーマンふたりに、土壇場で決定的な仕事を許してしまった。

 大宮は守備陣に戦線離脱者が相次いでいる。アウェイで新潟と引分けた前節は、主将でボランチの三門雄大も前半途中に負傷交代した。

 一方で、磐田戦では菊地俊介が開幕戦以来の出場を果たした。本来のボランチや開幕戦で起用されたシャドーではなく、1トップで70分までプレーした。「久しぶりにゲームの感覚を味わうことができた」と話す28歳の戦列復帰は、連戦のなかでポジティブな要素にあげられる。

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