■3月3日/J1第11節 川崎フロンターレ―セレッソ大阪(等々力)
3月上旬とは思えぬ極寒の中、等々力で一輪だけ“桜”が開花した。かつて川崎で3年連続得点王に輝いた大久保嘉人が、古巣相手に2得点と大暴れしたのだ。
「背番号20」が雄たけびを上げたのは、開始わずか5分のことだった。MF坂元達裕が右サイドを力強いドリブルで駆け上がると、並行して走っていた大久保嘉人にボールを渡す。大久保がボールを受け取ったのはペナルティエリアの外。その瞬間、ペナルティエリアの中にセレッソの選手が2人入って、大久保からのボールを受ける態勢を取ろうとした。
川崎のアンカー、ジョアン・シミッチが大久保の行動を制限しようとアプローチしたが、それより早く大久保は右足を振りぬくと、ボールは緩やかな弧を描きながらも鋭い速さでゴールに向かう。昨季のJ1ベストイレブンに選ばれたGKチョン・ソンリョンが必死にジャンプして伸ばした手先をの上を通り越して、ゴールネットを豪快に突き刺したのだ。