後半開始から1分も経たずに松下がシュートを放ったのは、巻き返すという意志の表れだっただろう。その後、マルティノスや上原がシュートを放ち、得点の予感を漂わせる。

 前半よりも素早い寄せでボールを奪う場面が多く見られ、しかも、選手間の距離が近くなったため局面でパスも連続してつなげるようになった。気田や真瀬を中心にサイドで積極的に仕掛ける場面が増え、ミドルレンジやロングレンジのパスを効果的に使ってチーム全体で川崎の裏を狙うシーンも見られるようになった。前半とは違った前のめりな姿を見せ続けた。

 その流れの中で、仙台が1点を返す。58分のことだ。上原が右から左裏にミドルパスを出して気田にボールを持たせる。ペナルティエリア深くでボールを持った気田に対応するのは、DF山根視来のみ。気田は、その後ろに走り込んできたマルティノスに冷静にパスを送ると、そのまま右足でシュート。このシュートは相手ディフェンダーに当たって右に流れるも、そこに詰めていた上原が右足で流し込んだのだ。

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