■相手のゴールキックは「チャンス」
川崎対柏の試合で柏が何度もパスをカットされてピンチを招いたのを見て、僕はマッチデープログラムに載っていたこの記事を思い出した。
「横パス」は安全とついつい思ってしまうが、そこでミスが起こったら一気に致命的なピンチにつながってしまう。縦につけるパスなら、それがカットされ、相手に奪われても一気にピンチにつながるわけではないのである。
後方からパスをつないでビルドアップするサッカーは僕の“大好物”だ。だから、現在、J1リーグ上位にいるチームの中では川崎や柏のサッカーは見ていて好ましい。
だが、パスをつなぐことを大事にすると、ついつい“横”を選択してしまうことも増える。そして、自らミスを犯してしまったり、相手のハイプレスの餌食になってしまうこともある。
そういえば、川崎対柏の試合だけでなく、最近はパスをカットされてピンチを招いてしまうような場面を、Jリーグの試合で多く見かけるような気がする。
8月24日の第27節でFC東京と対戦した京都サンガF.C.は、PKで先制した直後の11分、FC東京のDF岡哲平がゴールキックからGKの金承奎(キム・スンギュ)につなごうとしたところを狙って、ラファエル・エリアスがカット。ファウルを誘って2本目のPKを獲得したことがある(ラファエル・エリアス自身が決めて2点差=得点は13分)。
さらに、81分にも金承奎からのパスを狙って松田天馬がカットして、ラファエル・エリアスにつないで京都はダメ押し点を決めた。
試合後の記者会見で、京都の曺貴栽(チョウ・キジェ)監督は「相手のゴールキックはチャンスになると、ずっと言ってきた」と誇らしげに語った。









