浦和と柏の「交換トレード」で攻撃の柱に、新天地で「日本代表」に選ばれた18歳、Jリーグの「向上」に必要なのは【川崎vs鹿島「鬼木達ダービー」が示したJ1リーグの「今季と未来」】(3)の画像
日本代表に選出された佐藤龍之介ら、移籍を飛躍につなげた選手も。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2025年のJ1は、折り返し点を過ぎたが、第23節を終えても、大混戦が続いている。E-1選手権前、最後の試合となった川崎フロンターレと鹿島アントラーズの強豪対決を、サッカージャーナリスト後藤健生が取材。この一戦から、J1の「今シーズンと未来」が見えてきた!

■安心して「任せられる」指導者は

 この3人の監督のうち、鬼木達監督は昨シーズンまでは川崎を率いて4度も優勝に導いていた。また、長谷部茂利監督はこれまでアビスパ福岡を率い、毎年のように戦力不足を指摘される中で安定した順位を保ち続けていた。

 そして、リカルド・ロドリゲス監督は2022年まで監督を務めた浦和レッズでは期待通りの結果を出せなかったが、その前は4シーズンに渡って徳島ヴォルティスを率いて、ポジショナルプレー(選手たちがボールを保持している際に適切な位置に立つことで、数的優位や質的優位を作り出し、相手の守備を崩すことを目指す攻撃戦術)を駆使して、徳島をJ1昇格に導いた。

 つまり、3人の監督はいずれもJリーグで十分な実績のある指導者だった。

 同じく新監督として今シーズン期待されていた横浜F・マリノスのスティーブ・ホーランド監督は、「元イングランド代表コーチ」という肩書を引っ提げて日本にやって来たが、Jリーグではまったく経験がなかった(おまけに、トップリーグの監督経験もなかった)。

 やはり、Jリーグで結果を出した実績があり、Jリーグのことを熟知している指導者のほうが安心してチームを任せることができるといっていいだろう。

 クラブとして自分たちのやりたいサッカー・スタイルを考慮しながら、Jリーグで実績がある有能な指導者を迎えたクラブが、現在、リーグ戦で上位争いに顔を出しているということだ。

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