■勝敗の「見えた?」試合
「25日は横浜FM対鹿島の試合に行く」と言ったら、『サッカー批評』でもおなじみの大住良之さんに「最初からどっちが勝つか分かっている試合に行くの?」と笑われてしまった。
いや、実際、僕もこの試合は鹿島の強さを再確認するため、あるいは横浜FMの低迷の原因を探るために行くつもりだった。
ところが、第18節のこの試合。ご承知のように横浜FMが27分までに3ゴールを連取すると、鹿島の反撃を1点に抑えて快勝してしまったのである。
「どちらが勝つか分からない」と形容される、まさに「Jリーグらしい」結果となった。
というより、僕は、この試合はフットボールの世界でしばしば起こる現象、つまり“フットボールあるある”満載の試合だったように思った。
試合が動いたのは、開始から4分が経過するより前のことだった。
横浜FMのGK飯倉大樹がライナー性のパントキックで、右サイドバックの加藤蓮にパスを通す。素晴らしいキックだった。そして、加藤はノーチェックでそのまま持ち上がって、ゴール前に走り込む植中朝日を狙ったパスを入れたが、鹿島のDF植田直通が頭でコースを変えたので、ボールは左サイドハーフの遠野大弥に達した。
そして、遠野がドリブルで仕掛けてから中央のアンデルソン・ロペスにパスを通し、アンデルソン・ロペスがシュート。このシュートがDFに当たってこぼれたところに、左サイドバックの永田勝也が上がってきて、右足ダイレクトでシュートを突き刺した。