
J1前節の第18節で、大波乱が起きた。7連敗中の最下位・横浜F・マリノスが、7連勝中の首位・鹿島アントラーズに勝利したのだ。最下位チームの逆襲は、どんな今後を示すのか。サッカージャーナリスト後藤健生が、「波乱の一戦」を徹底検証する!
■対照的な「状況」での対戦
5月25日の日曜日。首都圏ではJ1リーグの試合がなんと5試合も行われた。しかも、ほぼ同時刻なので、2試合を観戦することもできない。
今シーズンは東京都の3つのクラブ、神奈川県の4つのクラブがJ1に所属しているので(埼玉県にも1クラブ)、東京近辺ではJ1の試合が多くなる。
「さて、では25日にはどの試合を観戦に行こうか」と、僕はだいぶ頭をひねった(ちなみに、前日の土曜日は首都圏ではJリーグの試合は1つもなかった)。
カードとしては川崎フロンターレ対ガンバ大阪が面白そうかと思ったが、川崎はAFCチャンピオンズリーグ・エリート決勝大会の関係でこのところ連戦となっており、しかも、11日の鹿島アントラーズとのアウェー戦が東京・国立競技場で行われ、その後はずっとホーム等々力(Uvanceとどろきスタジアム)での開催だったので、鹿島戦以来5試合を続けて見ていた。
そこで、25日は川崎戦ではなく、日産スタジアムでの横浜F・マリノス対鹿島の試合を見に行くことにした。
鬼木達監督を迎えた鹿島は、“鹿島らしく”勝負強さを発揮して首位を走っている。第17節の清水エスパルス戦までリーグ戦で7連勝中だ。
一方の横浜FMは、まさかの最下位と低迷中。こちらは7連敗だ。
いわば、対照的な状況での対戦である。