■思わず選手に返した言葉

 2025年5月3日、2023年の天皇杯決勝の優勝から始まったACLElite 2024-2025の戦いが終わりました。
 翌5月4日から、フロンターレに関わる皆さんが、それぞれの帰途につきました。空港や機内で会うサポーターの皆さん全員が「フロンターレを好きでよかった。ここまで連れてきてくれたことに感謝だね」との言葉にしていて、戦い切ったチームへの思いにあふれていました。みんなでハグや握手をしたり、サポーターの中にもさらなる一体感が生まれていました。
 チームにここまで関わってきて「フロンターレは国内では強いけど、アジアでは結果を残せない」なんて言葉を耳にすることも今まで多々あり、「近いうちに見てろ!」と思っていました。だからこそ、今回ファイナルズを決勝戦まで勝ち上がったことが誇らしかったです。選手、監督、スタッフの皆さんからは、優勝できなかったことに対する謝罪の言葉も聞かれましたが、「謝らないでください、フロンターレに関わってきて、誇らしいです」と返答しました。できることなら、もっと平等な中立の環境で試合ができたら……という思いはあります。今後もJリーグのチームが毎年ACLを戦っていくわけですから、できるだけ平等・中立な環境になってほしいと願っています。
 今回、フロンターレのACLEサウジアラビア遠征に行ってみて、ますます自分の応援するチームを誇らしいと思ったし、感謝してもしきれない気持ちを感じました。海外遠征時のチームスタッフ&クラブスタッフの努力、報道陣の努力、サポーターの努力、それを間近で見させていただいたことも、今回遠征に行ってよかったと思う要因になりました。もちろん、海外遠征中の選手たちの大変さ……それも身に染みて分かりました。
 フロンターレに関わる全ての皆さん、ACLEの戦いおつかれさまでした! ありがとうございました!
 帰国後、時差ボケでぼーっとしていた私とは違い、1日のオフを挟み、5月7日からチームは再びリーグ戦に向けて動き出しています。リーグ戦再開の相手は、鬼木達監督率いる鹿島アントラーズです。アジア2位という結果を手にしていますから、胸を張って鬼さんのチームに向かってほしいです!
 そこから怒涛の連戦がまた始まりますが、サウジアラビア遠征で生まれた一体感とチームワーク、ACLE準優勝という自信を武器に、ここからの国内での試合を戦ってくれることでしょう。そして国内で強さを見せて、ACLEの借りをまたみんなで返しにいきましょう!
(取材・文/小森すみ恵)

■小森すみ恵(こもり・すみえ)

神奈川県出身、2010年より川崎フロンターレのスタジアムMCを担当。現在、かわさきFMのフロンターレ応援番組「LOVE LOVEフロンターレ」のパーソナリティを務める。

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