■フロサポの心意気に感動!

 そして、決勝進出を決めたその瞬間から、日本からフロンターレサポーターが「優勝の瞬間を見よう!」と再び多くの人がジェッダに向かってくれました。さらに多くのサポーターが増え、より心強くなったとともに、GW期間中の決勝後の帰国便の争奪戦が水面下で始まっていたことも、勝利の結果ならではでした。「優勝を見れるのならもう帰りはなんでもいい、何とかする!」というフロンターレサポーターの心意気を感じましたね。
 決勝の前日会見での長谷部茂利監督は、まっすぐ前を向いて「明日は私たちがチャンピオンになります!」と力強い言葉が。共に戦うサポーターに向けても「このチャンスはよくあるものではない。共に掴みに行きましょう。それが今後の川崎の飛躍……になるでしょう!」と心に響くメッセージを届けてくれました。
 キャプテン脇坂泰斗選手は「優勝と2位はまったく違う。世界トップレベルに勝つことで、フロンターレを世界にアピールできる。明日は、心で頭と体を動かすそんな試合にしたい」と冷静に話してくれました。
 そして、迎えた決勝当日。セントラル開催のはずなのに、“全然中立開催じゃない‼”というような景色が広がっていました。この3連戦で最大のアウェイ感。アル・アハリサポーターの緑色に囲まれたスタジアムなうえに、つんざくような笛の音が起きれば、地響きのように下から突き上げてくる歓声とブーイング……。しかし、その一角には大きく手を挙げ、ジャンプし、歌い続ける水色のサポーターの姿が。フロンターレベンチ前には、チームスタッフさんが、ボールとトレーニング用品などで作り上げた「KF No.1」の文字があって、私も心強く感じました。
 選手入場は、炎の特効と光とプロジェクションマッピングを駆使したド派手な演出でした。しかも、選手一人ひとりが名前をコールされて入場するバスケットボールの入場スタイル。私もこれまで何度もホームで行うACLのアナウンスを担当してきましたが、それとはまったく演出で、音もアナウンスも雰囲気も異なるものでした。加えて、スタジアムを埋め尽くした緑色のサポーターがバックスタンド一面を埋め尽くしたコレオを見せつけられ、今まで日本で見てきたものとのスケールの違いを感じました。選手たちはこの状況をどうにか楽しんでいてほしい、そう祈るしかないのでした。
 そして結果は、2-0での敗戦。終了ホイッスル直後に倒れ込む選手や涙する姿が見られれば、そんな選手たちを励ましにいくベンチ&ベンチ外選手たちとスタッフの皆さんの姿も見られ、私は何も言葉を発することはできませんでした。

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