■クロス攻撃を生かす広島
両チームともにACLEとACL2というアジアの舞台を戦いながらとあって、過密日程でぶつかった試合だったが、より疲労が出やすいのは広島。「守備はマンツーマンでずっとついている分、前後半のそれぞれの残り15分から落ちているように見えました」という。
それでも、その最初の部分では勢いがある。広島がPKを獲得したのも後半開始早々の場面で、これも右サイドのクロスに対してジャーメイン良がシュートを放ち、横浜FMのDFの手に当たってしまったというものだ。ちなみに、シュートにつながった加藤陸次樹のクロスの前にも、田中聡がクロスを放っており、この場面でも連続でサイドから中にボールを入れていた。
「横浜FMとしてはPKはやや不運でしたけど、広島として信じる形をやった結果、勝ち取ったものでしたね」
そのクロスを生かすために、人数のかけ方も工夫している。
「後ろはDF3枚にアンカー気味の田中聡を加えた4枚で回して、前には6人がいる。前に人数をかけていることで、当然、クロスに反応する人も多くなる。逆サイドからも入ってくるし、こぼれ球の反応も早くなりますから、クロスがより効果的になっています」