■鹿島アントラーズがで期待の選手は

 このうち、前向きな印象があるのは、鹿島、柏、福岡だろう。鹿島の鬼木監督はご存じの通り、川崎時代の8年間で国内7冠を獲得した名将だ。もちろん川崎時代の中村憲剛(川崎FRO)、大島僚太守田英正スポルティング・リスボン)、田中碧(リーズ)のような足元の技術やパスの出し入れに長けた選手が今の鹿島には少ないため、指揮官が志向するサッカーを具現化するには多少の時間はかかるだろう。
 それでも、キャプテン・柴崎岳は鬼木サッカーの体現者としてチーム全体を統率していくだろう。樋口雄太三竿健斗はある程度、ボールをつなぐことができるし、新戦力の小池龍太やキム・テヒョンは要求をこなせるだけのスタンダードを備えている。
 加えて言うと、鈴木優磨、レオ・セアラ、荒木遼太郎という得点源になり得るFWが複数いる。長期離脱中のチャヴリッチが戻ってくればより前線の厚みは増してくるだろうし、そこに推進力のある師岡柊生、松村優太らを絡めていけば、川崎とは微妙な違いはあるものの、まずまずいいハーモニーのチームができそうだ。2016年以来のJ1制覇が叶うかどうかは未知数ではあるが、7冠監督が優勝のできるチームを作り上げるのは間違いないと見ていいのではないか。

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