■最も読みにくいFWの選考

 FWは結果がダイレクトの評価につながるポジションだけに、1年半後の選考が最も読みにくい。
 その中で上田綺世(フェイエノールト)と小川航基(NECナイメヘン)の二人がリードしているが、ドイツ1部で現在6得点を記録している町野修斗(キール)は十分に逆転のチャンスがある。上田と小川はポジションと役割の関係から二者択一になりがちだが、町野は185cmのサイズながらスピードもあり、前回の招集メンバーである大橋祐紀(ブラックバーン)と同じく、シャドーで稼働することも見込める。
 古橋亨梧(セルティック)をどう組み込むかは”森保ジャパン”が世界で戦っていく1つのテーマになりそうだが、アウェー中国戦で少し明るい兆しが見られた。ただ、最終メンバーに入っていくには代表戦でも結果で示していく必要がある。ここからセルティックに留まり続けるか、イングランドのプレミアリーグにステップアップがあるのかどうかも鍵になりそうだ。
 古橋の同僚である前田に関しては左ウイングバックが代表での第一ポジション、シャドーがオプションになりつつあるが、世界が相手となってくれば、抜群のスピードを最前線で生かすことも考えられる。怪我で離脱していた浅野拓磨マジョルカ)も、すでにクラブではスタメン復帰を果たしており、世界最高峰の1つとされるラ・リーガで得点を積み重ねることができれば、そのままアピールになるだろう。

 ただ、クラブでは4ー4ー2のサイドハーフが主戦になっているため、2シャドーやウイングバックでの起用が、さらに増えていくかもしれない。
 FWは本大会での選考が最も読みにくいポジションであり、それだけに若手の逆転も十分に可能だ。今回26人のリストに入れることはできないが、細谷真大柏レイソル)などパリ五輪世代のFWはもちろん、ジュビロ磐田からベルギーの名門に完全移籍を果たした19歳の後藤啓介(アンデルレヒト)を筆頭に、慶應大学から卒業を待たずに海を渡った塩貝健人(NECナイメヘン)など、ロス五輪世代から一人でも多く、森保監督の目に留まるようなブレイクを期待して、来年の国内外での選手たちの躍動に期待していきたい。
(取材・文/河治良幸)

(2)へ続く
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