■生かしたい小川の高さ

 万能型の上田に比べると、小川は高さと競り合いの強さにストロングのあるFW。インドネシアが自陣に引いて守備を固めてくるような状況になれば、彼のヘディング力が大いに生かされるはずだ。
「シンプルな攻撃も時に有効。航基は『崩し切る前に(クロスを上げてくれ』とかシンプルなプレーを僕に要求してくることも多い」とU-20日本代表時代から共闘している堂安律(フライブルク)は話しているが、小川を生かすようなボールを彼らウイングバック(WB)が供給することで、より得点力がアップするに違いない。
 普通に考えれば、今回も両WBは堂安と三笘薫(ブライトン)でスタートし、途中から伊東純也や中村敬斗(ともにスタッド・ランス)が出場するという流れになる。小川は堂安にしても、伊東にしても「クロスが合う」とコメントしており、息の合ったプレーが見られる可能性は高い。左サイドの2人とも代表常連組になってからの半年間で特徴をすり合わせており、生かし生かされる関係性を築きつつあると言っていい。
 外からのボールを小川が確実に合わせ、自らがゴールを決めるか、シャドウの選手にこぼれ球を拾わせる形になるかは分からないが、そういった形が数多く出れば、いつかゴールネットを揺らすシーンは訪れる。小川には最前線の大黒柱として自身のタスクを確実に遂行することが求められるのだ。

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