■気になるのは左SB

 前回予選も同組だった中国は日本の攻撃を警戒し、自陣に引いてブロックを作ってくると見られるが、それだけに両サイドの推進力や打開力が重要になる。2人を頭から起用するかどうかは未知数だが、個の力で守備を切り裂ける2人がいることで攻撃のバリエーションは確実に広がる。そこは前向きに捉えていいだろう。

 しかしながら、守備面では不安も見え隠れする。というのも、最終ラインに安定感をもたらせる冨安健洋アーセナル)と貴重なレフティの伊藤洋輝(バイエルン)が不在だからだ。冨安不在時というのはこれまでも何度かあり、4バックであれば谷口彰悟シントトロイデン)と板倉滉(ボルシアMG)がセンターバック(CB)コンビ組むことが多かったが、谷口は新天地に赴いたばかりでコンディションにまだ不安がある。森保一監督は町田浩樹(サンジロワーズ)も重視していると見られるが、町田と板倉を組ませた場合、左サイドバック(SB)の人材がかなり手薄になってしまうのだ。

 候補者はW杯5大会連続出場を目指す長友佑都(FC東京)と中山雄太(町田)だが、長友は直近2試合は先発しているものの、その前はベンチスタートも多く、高いレベルでフル稼働できる状態とは言い切れない部分がある。中山にしても、8月17日のジュビロ磐田戦でJリーグ復帰を果たしたばかり。ポジションも左CBで出ていて、左SBでの実戦からは遠ざかっている。

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