■3点差の完敗も…「46%」を記録
さて、U-23日本代表は、スペイン代表には0対3と大差を付けられて敗れた。
3年前の東京オリンピック準決勝では、日本は延長戦の末の0対1という惜敗だったし、2022年のカタール・ワールドカップでは、日本は2対1でスペイン相手に逆転勝ちを収めた。
ところが、パリ・オリンピックでは3点差の完敗に終わった。結果だけを見れば、悪くなっている。しかし、試合内容を見れば、U-23代表のリヨンでの戦いは、これまでのどの試合よりも良かったのではないか。
東京オリンピックでのスペイン戦では日本が防戦一方となり、スペインの猛攻に耐えていたものの、延長後半に力尽きた。また、カタール・ワールドカップでのスペイン戦も、前半は一方的に押し込まれる内容だった。前半を1失点だけで切り抜けることができたのは、当時のスペイン代表がかなり深刻な決定力不足に陥っていたためだった。そして、それが逆転劇につながった。
日本代表の森保一監督はシステム変更をして攻撃的な選手を次々と投入して反撃。「三笘の1ミリ」という“幸運”もあって逆転勝利につながったのだ。
東京オリンピックの準決勝でもカタール・ワールドカップでも、日本代表のボール支配率はどちらも30%台だった。
ところが、パリ・オリンピックのスペイン戦で日本は46%というボール保持率を記録したのだ。パスをつなぐのがうまいスペインという相手に対して40%台後半の支配率というのは、なかなか見ない数字ではないだろうか。