■続いた「不運」と評価したい「違い」
VAR導入後、ルールがますます細分化され、判定があまりにも機械的なものになって、サッカーというスポーツの本質からはずれてきているが、細谷のゴール取り消しもその弊害の好例ということができるだろう。
とにかく、細谷のゴールが取り消されたのは不運以外の何物でもなかった。細谷は45+2分にもCKからヘディングシュートを放っているが、これもゴールポストに嫌われてしまう。この試合、日本にはツキもまったくなかったようだ(88分にも高井幸大のヘディングがクロスバーに嫌われた)。
「いくつかの幸運が重なれば勝てる」というほどの戦力差がある相手だったのに、逆に日本に不運が続いたのでは勝利できるはずはなかった。
ただ、いずれにしてもスペイン相手にも90分を通じて50%に近いボール支配率を記録し、しかも、実際に何度もスペイン・ゴールを脅かすことができたのは事実だ。ひたすら守備を固めて勝利を追い求めた東京オリンピックやカタール・ワールドカップでのスペイン戦とはまったく違う姿を見せてくれた。これは、大いに評価すべきことだろう。