■毎熊晟矢の前線起用
浅野と前田の両方を頭から使ってしまうと、流れを変えるジョーカーの枚数も足りなくなるという課題もある。そこで1つ考えられるのが、右SBの毎熊晟矢(C大阪)を一列前に上げて使うこと。もともとFWで長くやってきた彼の攻撃力は今季Jリーグでも傑出したものがある。頭脳的な位置取りや駆け引き、時には打開もできるだろう。彼自身も守備負担を軽減してもらった方がよりストロングが生きるのではないか。
後ろに菅原由勢(AZ)が入るのか、イングランド・プレミアリーグにステップアップした橋岡大樹(ルートンタウン)のような最近呼ばれていなかった選手が陣取るのかは未知数だが、毎熊を上げるというのは、1つの解決策だと言っていい。
右に久保建英(レアル・ソシエダ)を配置するのも、森保監督がよく試みているパターンの1つ。実際、スペインでは右を主戦場にしている彼だけに、そこはやりやすいだろう。その場合、トップ下かインサイドハーフをどうするかという問題がある。鎌田大地(ラツィオ)や田中碧(デュッセルドルフ)の再招集に踏み切るのであれば、有効な策になり得るのではないか。
アジアカップのように彼ら2人が不在だと、久保をトップ下以外のポジションで使いづらくなる。もちろん南野拓実(モナコ)か堂安律(フライブルク)を中央に配置する手もあるが、相手がハードプレスを仕掛けてきた時には失ってカウンターを食らうリスクが高まってしまう。卓越したキープ力のある久保はやはり中央に置いておきたい。右に入れるにしても短時間に限られるだろう。