■J3からステップアップした選手は多い

 J3リーグのレベルをはかるもうひとつの材料に、“個人昇格”がある。J3からキャリアをスタートさせ、J1へ辿り着いたタレントは例外でない。

 19年のJ3を制したギラヴァンツ北九州では、プロ2年目の町野修斗(現在はドイツ2部のホルシュタイン・キール)がプレーしている。横浜F・マリノスからの期限付き移籍でチームトップの8ゴールを記録し、J3制覇に貢献した。翌20年はチームとともにJ2へステージをあげ、21年からJ1の湘南ベルマーレの一員としてJ1のピッチに立った。

 2020年J3得点王の谷口海斗は、18年にJ3のグルージャ盛岡(現在のいわてグルージャ盛岡)でプロキャリアをスタートさせた。3年目の20年にロアッソ熊本へ移籍して個人タイトルをつかみ、翌21年に当時J2のアルビレックス新潟へ引き抜かれた。

 23年からJ1の浦和レッズでプレーするFW高橋利樹も、23年夏にJ2の藤枝MYFCからJ1のセレッソ大阪へ移籍したFW渡邉りょうも、プロキャリアのスタートはJ3だ。昨年は前半戦だけで11ゴールをあげたY.S.C.C.横浜のFW福田翔生が、8月に湘南へ引き抜かれた。

 23年に松本の選手として得点王となったFW小松蓮は、今シーズンからJ2のブラウブリッツ秋田へ完全移籍した。得点ランキング3位のブラウンノア堅信は、J2の徳島ヴォルティスへ新天地を求めた。小松は背番号10を、ブラウンノアは9番を着けて、開幕節にスタメン出場している。

 J1の京都サンガF.C.で開幕戦フル出場を飾った原大智も、プロ2年目の19年にFC東京U―23の一員としてJ3でプレーし、19ゴールをあげて得点王となっている。クロアチア、スペイン、ベルギーのクラブを渡り歩いてきた24歳の大型FWも、J3でプロとしての土台を築いたと言えるだろう。

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