■J2からの降格チームが直面するJ3の厳しい現実
率直に言って、注目度は高くない。
だからといって、見どころがないわけではない。
J3とはそんなリーグである。見どころが年々増えている、という表現が正しいと言えそうだ。
リーグのレベルをはかる材料として、J2からの降格チームの成績がある。J3リーグは2014年にスタートしたが、J2から降格したチームが1年でJ2へ復帰できたケースは、16年の大分トリニータだけなのだ。
新型コロナウイルス感染症によるレギュレーション変更で、J2から4チームが降格した22年は、松本山雅FCの4位が最高位だった。愛媛FCは7位、ギラヴァンツ北九州は13位で、SC相模原は18チームの最下位に沈んだ。
23年もJ2からの降格チームは、J3の壁に直面した。いわてグルージャ盛岡が10位で、FC琉球が17位に終わっている。
J3からJ2へ降格したチームは、主力選手を失ってしまうことが少なくない。一方で、1年での復帰を期して主力を残留させたり、即戦力を補強したりするチームもある。そういった状況を踏まえると、J2からの降格チームが苦しむ現状は、J2とJ3のレベルが拮抗していることを示していると言えそうだ。
今シーズンのJ3を戦う20チームのうち、J2を経験したことのあるクラブは「11」を数える。クラブとしてのポテンシャルが似通っているチームが多いことも、僅差の戦いが繰り広げられる理由にあげられる。
シーズン開幕後の2月27日、FC岐阜が青木拓矢の獲得を発表した。34歳のセントラルMFは、大宮アルディージャ、浦和レッズ、FC東京と渡り歩き、J1通算345試合出場を誇る。
また、アスルクラロ沼津には、2014年ブラジルW杯日本代表のFW齋藤学が加わっている。J1やJ2でプレーしてきた経験者が少しずつ増えていることも、J2昇格争いを熾烈にしている要因に加えていいだろう。