２０２４年J１がついに開幕し、連覇を目指す昨季王者のヴィッセル神戸、昨季2位の横浜F・マリノス、同3位のサンフレッチェ広島、天皇杯王者の川崎フロンターレなど上位陣が揃って勝利。ランコ・ポポヴィッチ監督体制で常勝軍団復活を目指す鹿島アントラーズも名古屋グランパス相手に３－０という派手な勝利を飾り、幸先のいい一歩を踏み出した。
まず神戸だが、１７日のFUJIFILMスーパーカップで川崎のサブ組に苦杯を喫した反省を踏まえ、高強度の守備から素早い切り替えでゴールを狙うという本来のスタイルを取り戻し、昇格組のジュビロ磐田に力の差を見せつけた。
川崎戦で負傷した井出遥也に代わって先発した新戦力・井手口陽介がハイプレスとライン間を突いていく巧みな位置取りで存在感を示し、長くコンディション不良に悩まされた左のスピードスター・汰木康也が躍動するなど、大迫勇也1人に頼らない戦いの一端を見せたのが朗報だった。
ゴールを奪ったのが汰木と佐々木大樹というのも特筆すべき点。汰木のミドル弾は彼自身が力強くもぎ取ったものだし、佐々木のゴールは大迫の絶妙のスルーパスでお膳立てしたものの、佐々木自身は名守護神・川島永嗣との1対1を冷静に股抜きで決め切っている。
「昨年はサコ君、ヨッチ君の得点力に頼り切りで本当に悔しい思いをした。2人を超えていく自覚を持たないといけない」と口を揃える2人が突き抜けてくれれば、神戸も連覇に近づくはず。非常に前向きな要素と言える。
