■「決めるべき人が決めて勝つ」

 2月21・22日にAFCチャンピオンズリーグACL)を戦った川崎と横浜は超過密日程に苦しみながらも底力を見せつけた。川崎は湘南ベルマーレに何度かチャンスを作られながらもキャプテン・脇坂泰斗と新エースFWエリソンの決定力で勝利。「決めるべき人が決めて勝つ」という試合巧者ぶりが光った。

 横浜も1993年Jリーグ開幕と同じ東京・国立競技場での東京ヴェルディ戦に挑み、最後の最後まで苦しみながらもアンデルソン・ロペスのPKと松原健のスーパーゴールで大逆転。31年前と同じ2-1というスコアで勝利。ハリー・キューウェル新監督率いるチームのギアもようやく上がってきそうだ。

 ミヒャエル・スキッベ監督就任3年目の広島も優勝候補本命の1つと位置づけられているが、新スタジアム初陣で浦和を2-0で粉砕。成熟度の高さを示す格好になった。

 2つのゴールを奪ったのが、湘南から移籍した大橋祐紀というのもインパクトの大きな点。昨夏加入の加藤陸次樹も半期で5点と爆発したが、新戦力がすぐに結果を出せるのも、守備陣や中盤の安定感が頭抜けているからだろう。

 広島の場合は他チームより選手層が薄い分、満田誠や塩谷司が負傷離脱した昨夏のようなことがあると厳しくなる。いかにケガ人を出さずにしっかり戦えるかが今後のポイントだ。

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