■代表チームの宿命

 もし、本気で「ワールドカップ優勝」を目指すのなら、そこに照準を合わせ、そこから逆算してチーム作りを進めなければならない。アジアカップも、そのための重要なプロセスの一つでしかない。本来は、もっと強い相手との試合を繰り返して強化したいのだが、2024年にはアジア以外の相手との試合は組めないだろう。

 それなら、そうした「格下」相手の試合をどのように利用して、強化につなげるのか。目的をはっきりしながら戦わなければならない。

 タイ代表の石井正忠監督はトレーニングが不足しているといったことを語ったが、それは世界中のほとんどの代表監督が思っていることだろう。

 まして、「代表選手のほとんどが海外組」という日本代表には合同トレーニングの時間はほとんど与えられないのだ。

 ワールドカップ予選は木曜日と火曜日に設定されている。

 所属クラブの試合を終えてから長距離移動を経て全員が集合できるのは火曜日。そして、時差を含めたコンディション調整をして木曜日の試合に臨み、試合が終わればすぐに移動してもう1試合戦ってすぐに解散……。その繰り返しとなるのだ。

 つまり、戦術を深めていくようなトレーニングはほとんどできないのだ。

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