■リスクに見合う積み上げ
だが、アジアカップのためにカタール入りした日本代表は1月5日から現地でのトレーニングを始める。そして、決勝戦は2月10日。つまり、決勝まで勝ち進めば1か月以上にわたってトレーニングを繰り返すことができる。長期間にわたって全員が揃ってトレーニングできる機会は、次は2026年のワールドカップ直前合宿までないのだ。
つまり、アジアカップは優勝を争うためのトーナメントであると同時に、ワールドカップ優勝を目指す日本代表にとっては、実に貴重な「1か月間の長期合宿」なのである。決勝戦までに7試合を戦うが、それはタイトルの懸かった公式戦であると同時に、合宿期間中のテストマッチでもあるのだ。少なくともグループリーグ3試合は格下の相手ばかりであり、かなり思い切ったテストに使えるはずだ。
たとえば、日本代表は「セットプレーからの得点が少ないことが課題」と言われて久しい。それなら、「カタール合宿」はセットプレーからの得点パターンを構築する絶好のチャンスとなるはずだ。
もちろん、そんな戦い方をすれば手堅く戦うよりもリスクは増える。だが、日本代表にとっては「アジアカップ優勝」よりもワールドカップに向けての積み上げの方がはるかに大事なはずだ。