アジア制覇よりも重要な、ワールドカップに向けての「貴重な長期合宿」の有効活用【サッカー日本代表「元日タイ代表戦」の消化と、アジアカップとその先への昇華】(2)の画像
森保監督のアジアカップ活用法にも注目 撮影:中地拓也

 サッカー日本代表の2024年は、元日のタイ代表戦から始まった。その道は、すぐに開幕するアジアカップ、さらにその先へとつながっていく。この1月の「絶好機」をどう活かすべきなのか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。

■アジアカップをどう活用するか

 さて、タイ戦を終えて招集メンバーも発表され、日本代表は1月4日の夜にアジアカップが開催されるカタールに向かって飛び立つ。

 FIFAランキング17位の日本はアジア最強であり、当然、目標は3大会ぶりの優勝ということになる。「優勝して当然」という状況で戦うのは大変なことだろうが、実力的に今の日本を抑えられるチームがあるとは思えない。

 優勝するために最も確実な方法は「慎重に戦うこと」だろう。リスク管理を徹底してカウンターやミスによる不用意な失点を防ぐことができれば勝利に直結する。現在の日本の攻撃力を考えれば、攻めあぐねる時間があったとしても落ち着いて戦えば、90分の間に確実に得点は奪えるだろう。

 守備を徹底して「7試合無失点での優勝」を狙うことができる。

 しかし、「ワールドカップ優勝」を目標として掲げる日本代表にとって、手堅く戦って優勝してもほとんど意味はない。

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