■日中韓の三すくみ現象

 日本サイドから見れば、韓国がパワーを生かしたサッカーをしてくるのが最も嫌なのだが、韓国代表はテクニカルな勝負を挑んできてくれる……。それが、最近の代表レベルで日本が優位に立っている理由の一つなのだ。

 その点で、クラブチームの方が、よりパワーや走力を生かした試合をしてくる。それが、日本が韓国のクラブに勝てない原因なのかもしれない。

 もう一つ、大きな不思議が、韓国のクラブが中国相手に取りこぼすという事実だ。

 代表レベルでは、中国代表は数十年にわたって(つまり、1970年代後半に中国がAFCに復帰して国際舞台に登場して以来)韓国に勝てない状態が続いていた。中国代表が初めて韓国に勝ったのは、初対戦から32年後の2010年のことだった。「恐韓症」と呼ばれる現象だ。

 その中国のクラブに対して、ACLでは韓国のクラブが取りこぼすのである。

 日本のクラブが韓国に勝てないこと以上の大きな「謎」というべきであろう。

 不勉強にして、僕は韓国のクラブと中国のクラブの試合を映像でチェックしていないから、本当に原因について何も思い当たることがない。

 ACLにおける日中韓3カ国の三すくみ状態は、謎の現象としか言いようがないのだ。

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