■FK一撃で東京Ⅴが踏みとどまる!
最後まで、諦めない。最後まで、戦い続ける。
J2リーグ41節が11月3、4、5日に行なわれ、4位の東京ヴェルディは5日、18位の栃木SCと対戦した。前日に2位の清水エスパルスと3位のジュビロ磐田が勝利しており、東京ⅤがJ1自動昇格圏の2位浮上の可能性をつなぐには、勝利が条件となる。
この日はMF森田晃樹が体調不良でメンバー外だった。フィールドプレーヤーではチーム2位のプレータイムを記録しているキャプテンの不在により、ビルドアップがスムーズさを欠いた。城福浩監督も「彼の不在は正直響いた」と明かしている。選手の立ち位置を変えながら栃木を攻略しようとしていたところで、アクシデントに見舞われる。左SB深澤大輝が、前半終了直前に2枚目のイエローカードで退場となってしまうのだ。
10対11となった後半は、4-4-1、4-3-2、もう一度4-4-1とシステムを変えながら選手も入れ替え、失点を防いでいく。「我々が勝つのであれば、我慢してセットプレーだと思っていた」とは試合後の城福監督だが、82分にそのセットプレーをつかむ。ペナルティエリア外やや右からの直接FKを、MF中原輝が左足で蹴り込んだ。美しい弧を描いた直接FK――夏の移籍市場でJ1のセレッソ大阪から加入した27歳が、大きな仕事をやってのけた。
1対0で勝利した試合後、城福監督は言った。
「(最終節の)あと1試合か、(プレーオフ2試合を含めた)あと3試合、勝てばいいだけ。奇跡をおこす土壌は作れた」
2位の清水とは勝点1差、3位の磐田とは同勝点だ。すでにJ1昇格プレーオフの出場は決まっており、最終節に09年以来となるJ1行きを賭ける。