■引き分け狙いがあだとなる

 しかしまだ2-2の状況だった後半20分に行った横浜FMの最初の交代は、DF松原健、DF加藤聖という両サイドバック、そして左ウイングのFW宮市亮を引っ込め、DF村上悠緋(右サイドバック)、MF南泰熙(ナム・テヒ、ボランチ)、そしてFWヤン・マテウス(左ウイング)の投入だった。試合は横浜FMがボールを完全に支配していた状況だった。マスカット監督は、勝ちきるのは大変かもしれないが、少なくとも2-2のまま試合を終わらせられると考えていたのだろうか。ただ、5バックで守る相手に、決定的なチャンスをつくれていたわけではなかった。

 しかしわずか10分後、仁川が勝ち越し点を挙げる。前半横浜FMの守備を悩ませたFWステフェン・ムゴシャ(モンテネグロ)とFWジェルソ・フェルナンデス(ギニアビサウ)に代えて後半半ばに投入されていたFWエルナンデス・ロドリゲス(ブラジル)とFWポール・ジョゼ・エブンゲ・ムポク(コンゴ民主共和国)のコンビが躍動し、ムポクのパスを受けたロドリゲスが抜け出して後半30分に勝ち越しゴールを決めたのだ。

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