昨年、日本だけでなく全世界のサプライズとなった、カタールW杯の日本代表の強豪を破ってのベスト16進出。今月9日には、そのサプライズの相手、ドイツ代表との再戦がマッチメイクされている。この戦いの意味とは? 森保ジャパンが目指すべき戦いは? 元日本代表FW城彰二が徹底分析する!
――日本代表について。森保一監督がチームを率いて2期目、 いわゆる第2次森保ジャパンに突入しましたが、第1次の評価はいかがですか?
「FIFAワールドカップカタールのグループリーグ予選で、強豪国のドイツとスペインを破ったことで大きな評価を得たと思います。また、個の打開力に長けた三笘薫選手を活かす作戦“戦術三笘”をとってみたり、逆サイドに伊東純也選手を置いてイニシアチブをとってみたり、システムの変更を試してみたり、いろんなことを試した中で、うまく戦績も残せたなという印象です。
ただ一方で、目標だった、ワールドカップベスト8の壁を突破できなかったという見方もあります。そこはシビアにとらえる必要があるのかな、と。ドイツ、スペイン戦の勝利で、その印象が消されてしまっていますが、自分たちの目標を考えると、十分な結果は残せなかった、全てを評価するわけにはいかないんじゃないかなっていう気はします。
チームの攻撃面に関しては、個人の能力を生かしつつ、システムを組んで、それをしっかり表現させたというのはすごく高く評価ができます。一方で、守備面は課題が残っているんです。代表の選手たちに話を聞くと、守備に明確な決まり事がないと言っていましたし、実際に、試合では自分たちどうにかするという、よりどころがない守備の仕方をしているんです。なので、どういう形で、どこでボールを奪うか、もっと組織だった守備をする。そこらへんが整理されれば、日本代表の強みである連携力がより発揮できる形になって、連動した守備から攻撃に転ずるという、積み重ねができると思いますね」