■首位・町田は主砲エリキの不在を感じさせず
主砲の戦線離脱を、チームの総合力でカバーした。
J2リーグ第32節が8月26、27日に行なわれ、勝点63で首位を走るFC町田ゼルビアはホームでモンテディオ山形と対戦した。
チームの総合力が問われる一戦だった。
前節の清水エスパルス戦で途中交代したエリキが、その後の診断で全治8か月の大けがを負ったことが判明した。得点ランキングトップの18ゴールをマークしていた主砲が、今シーズン絶望となってしまったのである。
その清水戦は、2対0から逆転負けを喫した。4試合ぶりの黒星となり、2位ジュビロ磐田との勝点差が「6」に縮まった。町田は消化試合数がひとつ少ないものの、磐田と3位の清水エスパルスの足音が大きくなっている。連敗は許されない。
対戦相手の山形は好調だ。27節から5連勝を飾り、J1昇格プレーオフ圏の6位まで順位をあげている。
苦戦を予想する声も聞こえていたなかで、町田が「自分たちらしさ」を発揮する。
スコアレスで迎えた19分だった。右CBチャン・ミンギュの縦パスに、FW藤尾翔太が反応する。1トップのファーストチョイスとなっているパリ五輪世代の22歳は、ボールのバウンドに合わせてペナルティエリア右外から内側へ切り返す。切れ味鋭いアクションが相手CBの反則を誘い、PKを獲得する。
最短距離でゴールを目ざす町田らしい攻撃を、藤尾が見事に体現した場面だ。番号25は自ら右足で蹴り込み、チームに先制点をもたらしたのだった。