■交代選手が追加点に絡んで大勝
1対0とリードしてからは、エリキ負傷で出場機会を得た選手たちが存在感を発揮する。まずは左MF沼田駿也だ。31分、左CB藤原優太のパスを、相手ボランチ、右ウイング、右SB、右CBの4人の間で受ける。その後のアクションもスムーズだった。素早くシュート態勢を整え、ゴール右スミへ狙いすました鋭い一撃を流し込んだ。スタメンは14試合ぶり、出場自体も4試合ぶりの24歳が、12試合ぶりのシーズン2点目で先発起用に応えた。
37分には、左CKから3点目を奪う。得点者はFWミッチェル・デュークだ。4-2-3-1から4-4-2へのシステム変更で、5試合ぶりにスタメン出場したオーストラリア代表が、山形のゾーンディフェンスの間で高さを発揮したのだった。
前節まで6試合連続で失点を喫していた町田だが、失点はリーグ最少2位だ。守備は固い。また、今シーズン初出場となったGK福井光輝が、際どい場面で好セーブを見せた。
3対0のままゲームを進める町田は、74分に途中出場のバスケス・バイロンが移籍後初ゴールを決める。84分にはMF安井拓也が敵陣でパスカットし、FW荒木駿太が左サイドからクロスを入れ、MF高橋大悟が華麗なボールタッチで後方へ流すと、走り込んだ藤尾が豪快に蹴り込む。後半から途中出場した安井、荒木、髙橋が、鮮やかな連携でダメ押し点をおぜん立てした。
今シーズン最多の5ゴールと、7試合ぶりのクリーンシートを達成した試合後、黒田剛監督は「まだまだ我々は成長できる」と話した。エリキの不在に全員が発奮し、首位チームの強さを見せつけたのだった。