■ベテランが示す姿
プロのサッカー選手としては、ともかく信頼されて試合に出場し、チームの勝利に貢献して周囲の人びとに喜んでもらうのが本来の姿のはず。しかしその思いがかなわず、Jリーグで活躍していた選手が欧州のクラブでは評価してもらえず、たまに与えられるチャンスも生かせず、力を発揮できない時期を過ごしている選手もいるだろう。もっと上のレベルのクラブ、あるいはリーグに行きたいのに、なかなかオファーがないと悩んでいる選手も、数多くいるに違いない。
そうしたときに、もっと「Jリーグ」という選択肢に目を向けるべきではないか。Jリーグで試合に出場することで本来のプレーを取り戻し、再び欧州のクラブからオファーを受けることもあるだろう。
あるいはまた、欧州のトップクラスで長期間活躍した後に、その経験とプロとしての姿勢などを伝えるためにJリーグのクラブに戻るという道も考えられる。そうした成功例は、C大阪の香川真司や清水の乾貴史だけでなく、浦和レッズの酒井宏樹、そしてFC東京のDF長友佑都(36歳、2010年から2021年までイタリア、トルコ、フランスで活躍)など、数多くの選手に見ることができる。