■「新たな景色」のための最大のキー
「ポジションを約束された選手などいない。誰もが競争のなかでポジションをつかまなければならない」。森保監督は常々そんな話をする。監督のそのスタンスは、チームにとって非常に大事なことに違いない。
しかし実際には、監督から大きな信頼を受け、コンディションさえ悪くなければ(多少悪くても)確実に先発メンバーに入れられ、簡単には交代させられない選手たちがいる。昨年までの日本代表であれば、DFの吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹、MFの遠藤航、伊東純也などである。信頼されているという安心感が彼らにチームに対する責任感を与え、チームの勝利のために百パーセントの力を発揮することで信頼はさらに高まる。
私は、久保こそ、次回のワールドカップで日本代表に「新たな景色」を見させる最大のキーと考えている。現在の日本代表には、プレミアリーグで活躍する三笘、ブンデスリーガで実力を示す堂安律、そしてフランスで高い評価を受ける伊東純也など、攻撃陣に多彩なタレントがそろっている。しかし久保は別格のように思う。