日本代表は15日、森保一監督の第2次政権初勝利を挙げた。その勝利に貢献したのが久保建英であるが、その姿は並々ならぬ決意をうかがわせた。現在22歳の久保は、日本代表とともにいかに歩んでいくべきなのか。サッカージャーナリスト・大住良之が考察する。
■プレーから感じられる力み
左サイド、三笘薫に対するエルサルバドルDFアレクサンデル・ロルダンへのファウルで得たFK。久保は自分でけるという明確な意思を見せ、速く高い完璧なボールをファーポスト前に落とした。それをこれもカタールのクラブ(アルラーヤン)での半年間でひと回り成長したことを見せた谷口彰悟が強烈なヘッドで決めた。
だが、相手の退場と上田綺世のPKにより開始4分で2-0と勝負が決してしまった後、久保建英のプレーからは「力み」が感じられるようになった。際どい勝負であれば、チームの勝利最優先でプレーの選択ができるはずなのだが、圧倒的な試合のなか、「もっと良いプレーを」という流れになっていたのだろう。プレーからシンプルさが減り、ひとりで決定的な形をつくろうという傾向が見えてきたのだ。私が久保に痛々しさを感じたのはそうしたときだった。