■久保に大きな信頼を

 素晴らしいテクニックをもっているだけではない。ひと目見ただけでゴールに至る「絵」を描く卓越した「サッカー頭脳」をもち、立ちふさがる屈強のDFに向かっていってゴールに向かう情熱も持ち合わせている。ワールドカップという舞台で「違い」をつくることのできる選手は世界にもそうたくさんいるわけではないが、久保はそうした選手になる可能性を十二分に秘めている。

 ひとりの天才に頼ってチームづくりをするのは愚かだ。その選手にアクシデントがあったら、元も子もなくなってしまう。しかしチームをひとつ上の段階に引き上げる可能性をもったタレントがいるなら、その能力を最大限生かすチームづくりをしないのは、それ以上にばかげている。2001年6月4日生まれ、22歳を迎えた久保は、日本代表を一段階も二段階も引き上げる準備が整ったように見える。

 2026年ワールドカップに向け、日本代表の攻撃は久保を中心に組み立てていくべきだ。そして森保監督は、久保に「信頼されている」ことをしっかりと感じさせなければならない。その精神的落ち着きのなかで、久保はこれからの3年間でさらに大きく伸びるはずだ。

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