■代表には対戦相手を問わずに課題がある
対戦相手だけを見ると、試合の位置付けが分かりにくいだろう。
森保一監督率いるサッカー日本代表が、3月以来の活動に臨んでいる。6月15日には、エルサルバドル戦に臨んだ。
北中米カリブ海からやってきた対戦相手は、FIFAランキング75位である。同20位の日本にとっては、ホームで戦うことを考えても勝って当然の相手だ。
本来ならば、もっと歯ごたえのある相手を呼びたい。しかし、現在は大陸ごとの公式戦が多いため、マッチメイクが難しい。日本のホームゲームでは、さらにハードルが上がる。
だからといって、論点がないわけではない。
森保監督は3年後の2026年W杯へ向けて、3月の活動から世代交代を進めている。新たな人材の発掘が、とりわけ急がれるのはサイドバックだ。長く代表チームを支えた長友佑都と酒井宏樹の後継候補をリストアップし、テストをしていかなければならない。
サイドバックのセレクトについては、アタッカー陣との連携も評価基準となる。右サイドなら久保建英、堂安律、伊東純也らと、左サイドなら三笘薫の特徴を消すことなく、自らも攻撃に関わっていくことが求められる。
右SBについては、3月の2試合に先発した菅原由勢と橋岡大樹に加えて、カタールW杯メンバーの山根視来や冨安健洋も選択肢になる。序列は固まっていないものの、候補者は少なくない。
それに対して左SBは、候補者を探している段階だ。CBを本職とする伊藤洋輝の起用を引き続き視野に入れながら、3月はパリ五輪世代のバングーナガンデ佳史扶がテストされた。今回はJ1の名古屋グランパスで両サイドを担う森下龍矢が初招集された。