■W杯を観戦できない時代が来る?
しかし、ワールドカップで高視聴率が期待できる日本代表の試合は、ラウンド16敗退となったカタール大会では4試合。グループリーグ敗退に終われば、たったの3試合しかない。そして、民放各局は地上波では日本戦は1試合ずつしか放映できないのだ。しかも、その視聴率も日本代表の戦いぶりに左右される。
その、たった1試合のために数十億円を投資することが難しい選択であるのは当然であろう。なにしろ、民放各局の年間営業利益に匹敵する金額なのである。
幸い、2022年大会の場合はABEMAという“白馬に乗った救世主”が登場した。
だが、ABEMAが思い切った額を出資して無料配信まで行えたのは、たまたま出資者の一つである「サイバーエイジェント」の経営が好調だったからでもある。
このまま、ワールドカップ(男子)の放映権料が高騰し続けていくとしたら、いずれは地上波ではワールドカップが放映できなくなり、さらにインターネット配信すら不可能な時代が来ても不思議ではない(すでに、アジア予選のアウェー戦はインターネット配信以外で視聴することができなかった)。