■逆の立場も経験した名古屋

 1-1の同点で折り返したものの、前半だけを見れば0-3、少なくとも0-2で広島が優位に立つのが当然という試合内容。90分が終わったときに名古屋が2-1で勝っていたというのは、驚くべき結果だった。DAZNの速報によれば、シュート数は名古屋7本(枠内5本)、広島21本(枠内10本)。後半だけ見ると、名古屋4本(枠内3本)、広島8本(3本)と、やはり広島が上回ったものの、「枠内シュート」では互角だったことがわかる。

 ちなみに、試合後にJリーグが出した「公式記録」では、シュートは名古屋が6本(前半3本、後半3本)、広島は15本(前半10本、後半5本)だった。

 実は私は、つい最近、やはり名古屋がからんだ試合で、「2つのハーフがあるゲーム」を見た。4月29日に日産スタジアムで行われた「横浜F・マリノス×名古屋」の試合である。この試合では、前半に名古屋が圧倒的なプレスの力を見せて試合を支配、前半29分にマルコス・ジュニオールがシュートを打つまで横浜FMはシュート0本という状況だった。そして前半終了間際に名古屋は森下が左からカットインして見事なシュートを決めて先制した。

 ところが後半はまったく逆の形勢になってしまった。立ち上がりから試合を支配し、後半18分に交代で一挙に3人を投入して圧力を高めると、後半27分には見事な攻撃から喜田拓也が同点ゴールを決め、1-1の引き分けにもちこんだのだ。

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