■守護神ポープのPKストップでウノゼロ勝利
後半はややオープンな展開となる。4連敗中の大宮に際どいシーンを作られるものの、DFがシュートコースを限定し、ゴールマウスを襲ってきたシュートはGKポープ・ウィリアムが弾き出す。
この試合は中3日で行なわれているが、町田は前節と同じスタメンで臨んでいた。2トップのFWエリキとFWミッチェル・デュークは、前半から守備でもハードワークしてきた。前線からのプレッシャーにやや陰りが見えてきたところで、黒田監督が動く。
この試合では飲水タイムが設けられており、69分に両チームの選手がベンチ前で給水をした。そのタイミングで、2トップを下げたのだ。
2枚の交代カードの1枚は、FWではなくDF藤原優大である。4-4-2から3バックへ、システムを変更したのだ。守備時は5バックになるシステムは、「勝利の方程式」である。
ところが70分、中盤でのボールロストからDFラインの背後を突かれ、GKポープが相手FWを倒したとしてPKを与えてしまう。
ここで守護神がチームを救う。大宮FWアンジェロッティのPKを、左へ飛びながら足でストップしたのだ。試合後のポープは、落ち着いた口調で話した。
「(PKは)自分で招いたことだったので、止めたいと思っていて。自分としてはすごく冷静でした。最初に意図的に右へ(ステップを)踏んで左へ、というのはイメージしていました」
大宮がパワープレーを仕掛けてきた終盤は、自陣ゴール前での攻防が続いた。それでも、相手のターゲットをフリーにすることはなく、セカンドボールの回収にもぬかりはない。町田は1対0のまま終了のホイッスルを聞いた。
GKポープは「チーム全員でつかみ取った勝利です」と切り出し、「こういう試合を1対0で勝ち切れるのはホントに大事で、今後も苦しい時間帯があるかもしれないですけど、それをしっかり跳ね返して。カウンターで何回かチャンスがありましたので、そういうところはもっと詰めていきたい」と続けた。
黒田監督はシーズン7度目のクリーンシートを評価した。「5戦連続で失点していたので、何としてもゼロで抑えようということで、選手たちがやり遂げてくれた」と、チームのパフォーマンスを讃えている。
4月は3勝1分2敗とやや苦しんだ町田だが、中3日の3連戦で白星をふたつ並べた。勝点29は2位の大分トリニータに3差だ。次節は7位のファジアーノ岡山をホームに迎える。2連勝で7位に浮上してきたライバルを叩き、首位固めといきたいところだ。