■先制点献上にも慌てず
実際、キックオフ直後にはアル・ヒラルがパワーとスピードを生かして浦和を圧倒。13分には右サイドでミシャエウがSBの明本考浩のマークをかわして入れたクロスがDFの足先をかすめて逆サイドまで抜け、詰めてきたサレム・アル・ドサリに決められてしまった。サレム・アル・ドサリもアルゼンチン戦で決勝ゴールを決めた選手だ。
しかし、早々に失点したものの浦和の選手たちはまったく慌てずに対応してゲームを落ち着かせることに成功した。
アル・ヒラルの選手たちのフルパワーでのスプリント回数が減ると中盤にスペースが生まれ始めた。そして、こういう“ハーフスペース”を利用するのは日本の選手はうまい。
浦和の選手たちは全員が守備のタスクも完璧にこなした。
CBのアレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンのコンビネーションも良く、ボランチの岩尾憲と伊藤敦樹の2人は最終ラインの前でしっかりとボールを奪い、奪ったボールを前線につなげた。
アル・ヒラルにボールを持たれる時間が長かったため前線が孤立してしまったが、トップの興梠慎三はしっかりとロングボールを収めたり、ファウルを誘って起点を作り、さらにプレスバックして守備面でも大きく貢献した。