AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、浦和レッズが決勝を戦っている。このアジアナンバーワンを決める大会は、Jリーグのクラブにもさまざまな課題を提示する。今後も見据えながら、サッカージャーナリスト・後藤健生が諸問題を考察する。
■浦和劣勢も予想された一戦
サウジアラビアの首都リヤドのキング・ファハド・インターナショナルスタジアムで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝の第1戦で、浦和レッズがしっかりした守備をベースに巧みな試合運びを見せて1対1で引き分け、3度目のアジアのタイトル獲得を懸けてホームでの第2戦に臨むことになった。
アル・ヒラルはサウジアラビアを代表する強豪で、ACLでは浦和と同じく3度目の優勝を狙うチームだが、ACLの前身アジアクラブ選手権時代を含めれば決勝進出はなんと9回目。そのうち優勝は4回している。日本のクラブとして初めて古河電工(ジェフユナイテッド千葉の前身)がアジアクラブ選手権で優勝した1986年大会もリヤドでの集中開催として行われ、古河がその初戦で勝利した相手がアル・ヒラルだった。
アル・ヒラルは前回2021年大会でも優勝し、今大会では連覇を狙っており(現在行われている大会は「2022年大会」)、準決勝ではアル・ドゥハイルに7対0と圧勝している。
さらに、カタール・ワールドカップでアルゼンチンを破ったサウジアラビア代表選手多数を擁しているうえに、前線にフィジカル・モンスター級の外国人選手を並べるなど、一部には浦和にも劣勢と予想する向きもあった。