■清水の強みは「交代選手も含めたチーム力」

 チームの2点目を決めた北爪は、3試合ぶり4度目のスタメン出場だった。DF岸本武流の出場停止で巡ってきたチャンスを、ゴールという結果へ結びつけた。

 この試合ではボランチの白崎凌兵が、開始早々にケガで交代するアクシデントに見舞われた。それでも、代わって出場した宮本航汰が、チームのクオリティを維持した。秋葉監督は「交代選手を含めたチーム力」を大切にしているが、ピッチに送り込まれた選手が持ち味を発揮することで、清水は高い総合力を発揮している。

 栃木を2対0で下した清水は、リーグ戦3連勝を飾った。3試合連続で複数得点とクリーンシートを達成しており、攻撃と守備が高いレベルで噛み合っている。秋葉監督就任後はリーグ戦5試合負けなしで、順位も8位まで上げてきた。ひとケタ順位は今シーズン初で、首位のFC町田ゼルビアとの勝点差も「8」まで詰めてきた。2位のV・ファーレン長崎とは勝点「5」差で、J1自動昇格圏が見えてきた。

 中3日で迎える次節は、徳島ヴォルティスとのアウェイゲームだ。スペイン人のベニャート・ラバイン監督が指揮する徳島は、29日のジュビロ磐田戦に勝利し、今シーズン初勝利をあげた。

 勝ち切れない試合が続いたことで最下位に沈んでいる徳島だが、潜在能力は高い。FW柿谷曜一朗が磐田戦で2ゴールをあげていることを踏まえても、簡単な相手ではない。それだけに、ここで連勝を伸ばせば、清水が得ている自信は確信に変わるはずだ。

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