■日本代表が抱える問題
さて、そんなサイドバックの攻撃参加による得点場面を、なぜこのタイミングで取り上げたのか?
それは、3月下旬に行われた日本代表の強化試合(キリンチャレンジカップ)のウルグアイ戦、コロンビア戦で「サイドバック問題」がクローズアップされたからだった。
昨年11月のカタール・ワールドカップでは、日本代表の右サイドバックは酒井宏樹(浦和レッズ)、左は長友佑都(FC東京)が務めた。
他のポジションでは若手選手が順調に成長していたのだが、サイドバックでは酒井、長友を越す選手が出てこなかったのだ。長友のライバルと目された中山雄太(ハダースフィールド)はワールドカップ直前に負傷してチームを離脱した。
その結果、日本代表の両サイドバックは36歳の長友と32歳の酒井というキャスティングになったのだ。
そして、ワールドカップ終了後、日本代表監督としての2期目に臨むにあたって、森保一監督は年齢の高い選手を招集しなかった。攻撃陣は、もともと20歳台の若い選手が多かったので顔ぶれはワールドカップ時から大きく変わらなかったが、守備陣では板倉滉(ボルシア・メンヒェングラードバッハ)が最年長。冨安健洋(アーセナル)の負傷離脱もあって経験の浅い選手が並ぶことになった。