J2で「9位と18位」スタートダッシュ失敗「清水エスパルスとジュビロ磐田で起こっていること」(1)エスパルスは泥沼の「開幕6戦勝ち星ナシ」“得点力不足・対戦相手のモチベーション・過酷日程”の「負の連鎖」【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
サッカー日本代表としてカタールW杯を戦った権田修一が清水ゴールを守る  撮影:中地拓也

■5戦勝利なしの清水はまたも先制され

 これはもう、泥沼と言うしかないだろう。

 清水エスパルスが勝てない。5試合連続ドローを受けて迎えた3月29日のザスパクサツ群馬戦は、1対3の完敗に終わった。J2からルヴァンカップに出場している清水は25、26日開催の6節が未消化で、ナイトゲームがこの日に組まれていた。

 これで開幕から6戦勝利なしとなった清水が、難しい相手と対戦してきたのは事実だ。2節はファジアーノ岡山、3節はV・ファーレン長崎、4節は大分トリニータ、5節はジュビロ磐田と、J1昇格候補と戦ってきた。ライバル相手に負けなかったとも、力の差を見せつけられなかったとも言える序盤戦である。

 今節対峙した群馬は、ここまで1勝2分2敗の18位だ。順位こそ下位だが、黒星は首位のFC町田ゼルビアとJ1昇格候補のベガルタ仙台に喫したものだ。同じくJ1昇格候補のモンテディオ山形には、1対0で勝利している。清水にとっても簡単な相手ではない。そもそも、J2リーグに簡単な相手など存在しない。

 ホームで戦う清水は、序盤からボールを握った。両サイドバックが高い位置を取り、FWチアゴ・サンタナとFWディサロ・燦・シルヴァーノの2トップの決定力を引き出そうとする。

 ここまでの5試合で、清水は先制点を奪ったことがない。ボールを握りながら先制できていないのだ。

 果たして、この日も追いかける展開になる。25分、群馬にとっての左サイドのFKから、ヘディングシュートを決められてしまった。デザインされた形に、対応しきれなかった。

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